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もうひとつのわたしのW杯~~

  • 2014/06/26(木) 10:17:47

連日連夜、サッカーW杯の試合が続いてて、

わたしなんてそんなマニアでもないのに、

何故か、自分の好きな国は見てしまう、、、


今絶対に見る(あるいは見たい)と思うのは、

《見たいんだけど、あまりの時間帯に
眠っちゃうんだよなあ=


メキシコ、ドイツ アメリカ、

これは、絶対に見たいと思うんですが、、、


で、つい先日、

オシム監督の祖国ボスニアの特集がされていて、
感慨深いものがあるんだよなあ。

ボスニアといえば、
{正しくは、ボスニア ヘルツェゴビナで、


近代の内戦 

という文字が真っ先に
頭に浮かぶわけなんですね、(わたしの場合。)

で、ドイツにいたとき、
ドイツ語学校に通っていたんですが、

その初級クラスに、

ボスニア人がいたのであります。



彼は、初級クラスが始まって、
1週間くらいして遅れて入ってきた転校生。
名前をスタチェンと致しましょう。

だが、あからさまに他の学生と違うわけですね。

語学学校は、

世界の色々な人種
老若男女問わず、

集まる、まさに人種のるつぼ、

だから色々な人がいる。
特にドイツは、移民の方々が多かったので、

国自体に色々と問題を抱えている人々が多く、

母国にいるよりは、的に、
新天地を求めてやってくるような
人たちが多かったので、

わたしとしてみれば、

そういった国々の人と知り合うことが多かったのです。


だけど、この遅れてきた転校生は、
明らかに、風貌も、何もかも、みんなと違ったのでございます。


どこが違うのか??


それは、彼の勉強姿勢なのです。


語学学校に来る人たちは

みんながみんな裕福とは限りません。

家計をやりくりして、なけなしの金をはたいて
未来への投資するわけです。
(言葉喋れるようになると色々な可能性が広がるし)

ドイツに住む以上、ドイツ語は必須。
言葉が出来なければ、仕事ももらえない。

だから、駐在でやってきてドイツ語を習う人々とは
明らかに、必死感が違うんですね。

スタチェンだって、そうなんですよ。
ドイツに来た以上、ドイツで金を稼ぎたい!

だからことそ、語学学校に来た というのに、

彼は、勉強する気、が、まったく感じられない。


下手すれば、わたしよりも若かったかもしれないが、

だが、どうみても人生にクタビレタようなオジサンで、

学校に来るのにも、手ぶらで来るのです。

筆記道具も、なんんも持たずに、

まるで、商店街に買い物に行くように!ですのよ、おくさあああん!

授業中はただ
ぼおおおおっと聞いているだけ。

先生の問いにも答えられない。
初級といえども、先生方はみんなドイツ語で
説明・質問をしてくださるんですが、

当然、ドイツ語のわからないわたしたちは、
必死に、がんばって理解しようとしているのに、

この彼は、

『ドブロー! ドブロー!』
{わたしにはそう聞こえた

としか言いません。

そして極め付けが、

テキストを持ってない!


まあ、いいですよ、そうは言っても転校生、
まだ買う時間がなかったのだろう。
そう思い、隣の人が見せてあげる。

わたしも何度か見せてあげました。

だが、5日、1週間、、、、経っても、
未だ持ってくる様子がなし、、、


ついに先生がおっしゃいます。

『スタチェン、
教科書を絶対に明日まで用意してきなさい!

絶対よ?!』


ついに沈着冷静な先生の堪忍袋も、切れる一歩手前。

いつもは、とてもタンタンと、
どんなことでもクールな先生でしたから、
こんなふうにおっしゃるとは、

わたし含め、クラスメート一同、

やばいよ、やばいよ~~~

となります。


けど、一人の心優しきトルコ人の子がいいます。

『もしかしたら、買うお金がないのかな?』

『『『『え??』』』』

一同愕然とするのです。
わたしとすれば、もし勉強する気持ちがあって、
だけど買うお金がなかったとしても、

なんとしてでも向学心の熱意だけは感じられるはず!

けれど、そんな様子の微塵もない。

口を開けば、ドブロー!としか言わない。

アンタ、ドイツ語覚える意思あんの?!

人間がなってないわたしは、そんな風に思う。


ところが、このトルコからやってきた人妻、カナは翌日
スタチェンのために、新しい教科書を持ってきました。

『スタチェンこれ。主人からのプレゼント!』

『『『『『え??』』』』』

ここでクラスメートはまたもや愕然!
スタチェンは、はじめ意味がわからなかったらしいんですが、
どうやら、プレゼントされたとわかり、

またもや、ドブロー! と歓喜のドブロ―!




アンタなんていい人だ!

人間が出来てない、
年だけくっているわたしは、

この年若い、カナの優しい心に胸を打たれます。


よっしゃ、ならば、このオバサンもひと肌脱ごうじゃありませんか!


授業はよく、ペアを組まされて、
問題を解いたり、発表をしたりします。

なので、たまに、スタチェンと組んだりすると、
わたしは、ドイツ語に馴染めるように、スパルタです。


『いい?スタチェン、これは、犬、わかった?』
『ドブロー!』

『じゃあ、これは何?』

『ドブロー??』


ヲイッ!アンタ、ドブロ―だけしか言わないじゃん。

わかりました。こちとらだって、なまじ年くってるわけじゃない!
{自慢じゃないがなっ?!ふんだ!


つうことで、

『スタチェン、ドブローって何よ?』

と詰め寄ります。

『YES,? ドブロ~?
それとも、NO! ドブロ~??』

わたしは必死になってスタチェンと
コミュニケーションを図りました。

どうやら、なんとなくですが、

ドブロ―という言葉は、

OKとか、YESとか、肯定的な意味のようなんですね。


なので、それからというもの、

『これは、犬、ドブロー?』

『ドブロー!』


『だからこの答えは、ノードブロー? オッケー?』
『ドブロ―!』

などという非常にややっこしい会話となって行きます。


ただ、先生も、

どうやら、ノパールは、
ドイツ語の才能はないようだが、
年寄りの知恵と経験で、
スタチェンのことはまかせられそうだ

そう思われたのか知れませんが、

それから、ずっと、わたしのペアの相手は

いつもスタチェンでございました。


わたしもドイツ語はてんでダメで、
そんなわたしの隣で一緒に学んだせいか
スタチェンもあまり上達はしなかったようですが、


それでも、彼の人生の中で、

共に学び、助け合う、

という学校という平和な社会で過ごしたことは
楽しかったのではないかと推察いたします。


現に、初級クラスが終了したとき、

10人全員が、(クラスはだいたい、8~10人くらい)
先生を誘って、お茶を飲みにいったのですが、
その中にスタチェンも入っていました。


わたしは、密かに心配していたのは、
スタチェンは、おそらくカフェのお茶代も
無理なのではないかと思っていたので、


仲良しだった子と話し合って、
最後はみんなでカンパしようと言っていたのです。


先生は用があるとかで、途中退場です。
最後まで、クールだった先生は、こうあいさつされました。


『では、みなさんのこれからのドイツでの活躍を祈っていますよ!』

そうおっしゃって、先に帰っていかれました。
わたしは、この先生はとても厳しかったけど、
えこひいきのしない、とてもフェアな先生で、
憧れていたのですが、


最後にもっと好きになった~~~ のは、


それは、先生が帰って、小一時間たち、
わたしたちもそろそろお開きにしようと

クラスメートと別れを惜しみながら、

お勘定の段になったときのことです。

わたしが、スタチェンのお茶代を、払おうと思ったら、

ウェイターさんがおっしゃいます。

『彼の分は、先ほど、先生からいただいております!』


ええええええ??

驚きました。

本来なら、わたしたちが感謝の為に
先生をおごってさしあげたかったのに、
彼女は、毅然と断り、

『わたしも楽しみですから、割り勘にしましょう!』

そして、スタチェンのために、
そっと、彼の分まで払って帰って行かれた。


『わたし払っといたから!』

なんて恩着せがましさもなく、上目線でもなく、
普通のことのように、さっと支払われ、
何も言わずに去って行った。


かっこいいんだよお~~~~


クラスメートの中には

厳しい先生で、
あんまり喜怒哀楽が顔に出ない方でしたから

冷たい~~


何て言う人もいたけど、
わたしは大好きでした!

そしてスタチェン、アンタ、みんなの優しさを背負ってるんだよ!



今も、ドブロ―という言葉を耳にすると、

すぐにスタチェンを思い出す。

彼は今頃ちゃんとドイツで仕事してるんだろうか?
もうドイツ語はぺらぺら~なんだろうか??


それとも、まだ、

ドブロー!ドブロ―!

を連呼しているのだろうか、、、

本当にドブロー?



などとサッカーW杯のボスニアチームを見ながら
そんなことを思っていたノパールでございました。vvvv

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