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さすがホーリーノベルズです!


知っている方は知っている~


『ホーリーノベル HOLLY NOVELS』とは、文庫の名前

辰巳出版のBLレーベル文庫なのでございます。



そして、数々数々、ネットでも紙の出版界でも
とりあえず、人気にのっちゃえ~みたいな、

オタクのような分野にターゲットオン。
オタクは、マイノリティーではあるけれど、
好きなモノに対する追及度、購買欲は、

ハンパがありませんから、

王手の出版社も、BLレーベルを立ち上げたりしています。




けれど、哀しいかな…


なんとなく、そういった業界の編集部って、

新人のBL作家さんを安く雇って、
それなりに利をあげる。

けれど、2冊、3冊と売上が減少したり、
また、信念をもってこういうのが描きたい!という作家さんがいても、


あ?それ?今ね、売れませんよ!
BLは王道でいいんですよ!



的に、あまり作家さんをリスペクトしてないというか、

BL作家さんて使い捨て~のような気さえしてなりません。



これ、個人の意見ですからね。
わたしがそう思っているだけかもしれませんから。

でもそう感じてしまう。





その中で、辰巳出版の
HOLLY NOVELSの出版担当者の方は、


BL文学と真剣に取り組んでいるように思えるのです。



地味な作家さんでも、
表現力が豊かで、

例え、暗くて痛いテーマでも

読者がつきにくいとしても、

作家さんをじっくり育てていこう、

そんな人々が働いているような
熱く情熱的な温度が感じられます。


木原音瀬先生がその筆頭にあげられると思うのですが、


最近ではやっぱり、尾上与一さんをはずすことはできません。


どちらもしっかりとした文章力の上にたち、

木原先生は、怖いくらいの、時として狂気のような
感情をつきつけてくるし、

尾上与一作品は、
自分が、まるで登場人物の世界に張り込んでしまうような
圧巻の描写力に魅せられるのです。



そして今日の覚書は、
勿論、このホーリーノベルズから
出版されているこちら、



明日も愛してる 著者:安芸まくら
(amazon.co.jpに飛びます)



さてさて、いつものように、
個人な勝手な意見、ネタバレでもいいよ~

という方のみ、こちらからどうぞ~vv



あらすじをざっくり書くと、

事故によって、記憶が13分しか持たない受けと
それを受け止めて寄り添って生きていく攻めの
たった1日だけのお話です。



記憶障害の話だと、

言い方悪いかもしれませんが、

その辺にゴロゴロと転がっているような

あまり目新しさを感じない、なんて

思ってしまうノパールなのでございますが、

同じ材料をどう調理していくかで、

今までに数々の名作も生まれております。






特にタイムリミットを持つ記憶障害といえば、



有名どころでは、

わたしの頭の中の消しゴム
(amazon.co.jpに飛びます。)

博士の愛した数式
(amazon.co.jpに飛びます)


から始まり、


わたしが切なく心で泣いた、

『Note:きみに読む物語』



などを、映像では思い出します。

勿論、わたしが畏れ多くも書いた感想BL本

あれも、この一連をテーマにして話が展開していました。
{あの話も好きです。あれはあれで実に切なかった~


けれど、本当にプロってすごい!

どんなに同じ題材を扱っても、

別の切り口になっていく、

これがプロの矜持なのでございます。




そして『明日も愛してる』も

話の切り口が他と違っているし、

何より、読後感がよかったという印象です。



目新しさというよりも、

なんでしょう、
見方によっては、二人の哀しい関係も、

別の見方では、全く違った関係になっている、
ってことなんでしょうかねえ??





まず、最初からびっくりさせられるのは、


最初のぺーじから活字が並ぶ中に、

どおおんと視覚で飛び込んでくるのが、

突如、文字が活字ではなく、手書きの文字

このインパクト、どおおんと入ってきて、
くいいるように、その文字を追っていけば、

それは、主人公が己のために忘れないように書いた注意書なのです。


13分しか記憶が維持できない受けの櫂と、

全てを受け入れて、
それと共に櫂と寄り添って生きる攻めのツダ。

その注意書が記してあります。

櫂はすぐ忘れてしまうから、
こうやって13分の記憶が続くときに
覚えている限りのことを書き記します。





こう書いてしまうと、
なんだか辛くて切なくて…
お話はそれだけに終始してしまう…



けれど、この本はそれだけではありません!


んにゃっ!


もっともっと色々な見方も感じ方もできる。



朝起きて、毎朝自分の境遇に驚く櫂のリアクションも、
読んでるわたしにとってはとても新鮮に感じられる。

時折くすり~って笑ってしまう、
微笑ましく櫂を見てしまうのです。


そしていつも隣にいるツダも、

櫂の記憶が保存できない、そんなことすらも、
まるでシチュを楽しむように、

記憶をなくした恋人のために、
ツダは丁寧に何度も何度も説明します。


二人の会話が何とも楽しい上に、

ツダの説明も、
ちょっと変わっているのですね。


櫂が驚かないように、
細心の注意を心がけているのでしょうが、
ツダ自身でも楽しんでいるように、


そのとき、そのときの櫂の現在を、

あるときは、先生 と呼んでみたり、

あるときは、櫂のことをアーティストなんですよ、
と説明してみたり、

あるいは、あなたは起業家だからと
言ってみたり、

さまざまな説明を櫂に施すのですが、



さて、その実態はっ?







って、ないんです!
正解が書かれてないんです!!!



もう、これね、意地悪なS作家先生じゃね?
ってくらい、


ええええ???正解ないんかいっ?!



って突っ込んでしまうんですね。


過去がきになってくるんです。



でも、それがすごいところで、



変わらない事実、

『櫂の記憶はかろうじて
13分だけはツダを覚えている。
しかし、いつかは、それすらもできなくなっていくだろう。』


という不変の事実のところで
読者のわたしをいつまでも留まらせません。

櫂とツダの過去に思いを馳せ、

事故前の櫂とツダはどんな恋人だったんだろう?
どうやって知り合ったんだろう?

そんな疑問が段々に膨らんでいきます。
当然、わたしの妄想の翼も広がっていくのです。




そしてあの不変の事実に、


何だか希望すらも見えてくるような未来を
勝手に想像してしまう。

それは、櫂がいつかは記憶を取り戻す~
そんな単純な希望の光ではなく、

記憶障害という事実を抱えた櫂と
そんな事実すらも凌駕していくツダと、

この二人の瞬間瞬間の未来に

今日はツダは何て自分のことを説明するんだろう?

とか、

結局、あれよ、あれよとツダの作戦にのっかり
Hになだれ込んでいく櫂のアタフタした感じを
想像しながら、

心は未来へと飛んでいったりするのです。



なんとも不思議な世界に誘われます。


哀しくて辛い現実を超えていくように
わたしに妄想の翼が生えてくるのは、

しいては、作者の布石の賜物なのです。



ツダは一度も愚痴をこぼしません。

じれったくて、有無を言わせずに櫂を抱いてしまうこと、
何度となくあるでしょう。
{実際、そんなシーンもあります。

けれど記憶障害の櫂を責めるような言葉を
一度たりとも吐きません。

ましてや、俺を忘れないでくれ!

なんてことを懇願したりなんてしません。





明日も愛している。


表題になった言葉。

これは、普通、
記憶がいつ途切れていくかわからない櫂の
言葉のように思えます。



いつだって13分だけは
自分の心からの愛しい人、ツダ、を慕います。

けれどこの記憶は心の奥底に沈んでいくように、
また寝てしまえば、あるいは、
何気に過ごしていった13分を過ぎれば、

ものの彼方へと置き去りになっていくツダへの記憶。


だからこそ、櫂は言いたいのかな?と。

覚えていなくても、
明日も僕はツダを愛しているのだよ。


って、そういう気持ちがこもっているのかな?って

最初そう思ったりもしたけれど、


読んでいけばわかるのです。



この言葉は、ツダの心からの言葉なのです。


櫂のために生きているわけではないのです。

櫂を見捨てられないから一緒にいるのではないのです。


ツダが、きっと櫂なしでは生きていけないのでしょう。



そんなことが、読み進めていくとわかっていく。

だから、辛さや切なさよりも、

ツダが、毎日違うリアクションをする櫂との
瞬間、瞬間に生きてることを実感している、

そんなことが伝わってきます。



また、作者が描く
記憶を探していく櫂の己へのモドカシサ、

わたしはあの迷路のような描写場面が好きでした。





忘れていく己を、ツダは重荷にいつかは思うだろう。

そう櫂が思いながらも、

ツダに告白する言葉の数々は胸に響きました。


櫂が、時にユーモアたっぷりに

時に、シチメンド臭くまわりくどい言い方で、

櫂に親切にしていくれるツダに、話しかける言葉は、

事故前の櫂を彷彿させるようで、

ますます、過去の二人に思いが飛んでいってしまいました。



また、この作品の世界観に、
ちゃんとどっぷりつかれる理由のひとつには、
金銭面の問題があるのですね。

現実的なわたしは、


この二人がお金に困っていない生活をしている~


という設定の中がとても嬉しくて、

とても安心して二人の世界を存分に楽しめたのでございます。


お金は、大事だよ~~~
と、まるでどこかの保険会社のようですが、

やっぱり、変なところに気を遣わず、読める世界が
わたくし読者にとってはありがたい~~




とにかく、長い長い1日の物語です。

それは、櫂にとってもツダにとっても
瞬間瞬間に生きているという証でもあり、

一見、静かな時の流れのようですが、

二人にとってもわたしにとっても、
怒涛のような1日でもあるのです。


人によっては、切なくて辛い話だと感じられる方も
いらっしゃるだろうと思います。



ただ、わたしが断言できることは、

今のこの瞬間も、

櫂もツダも、

櫂の空白の記憶を取り戻しながら、

たとえ13分という限られた時間の中であっても、

櫂はいつも新鮮な気持ちで、

そして、ツダの中では
益々櫂を愛おしく思う気持ちが大きくなって、

きっと、その一瞬を大切に過ごしているのでしょうね。




明日も愛してる。


言ってみたいもんですな~。
     

コメント

おぉ~~~!

やはりこの本は、ノパールさんの琴線に触れましたか!
私も、この本を読んだ時は衝撃をうけたものです。

私は、受けが妹と電話で話していて、妹って分からなくて
お母さんだと思うシーンが、泣けてきます。

なんて辛い病気だろう…と。

でも、攻めが悲観的じゃないのが、良いですよねw

あと、記憶障害になる前の受けが戻って来るシーンがありますが、
アレを読むと2人の過去が非常に気になりますっ!
きっと素晴らしく萌え~な攻めと受けだったのでしょうね☆
おおらかな攻めとクールビューティな受けって感じ。
ノパールさんの『マ●さんといお●』カップルに似てますっっっ

Re: タイトルなし

JUNさん:

いつもいつも同じ言葉しかでませんが、
ありがとうございますね~

あなたさまは、ベテラン仲人でございます。


明日も愛してる の、過去編が出たら、
絶対に買う!絶対に買います!


そして嬉しいお言葉、
拙話、タキジロウシリーズに
例えてくださるなんて~~
もう嬉しまくり~
{但し、我がマサは、ツダよりも
断然ガキですけど~~



櫂の妹さんの心中を察すると
本当に胸が痛みます。

わたしの父の最期のタームは、
結構、幻を見たり、かなり記憶があいまいだったけど、
わたしと母を決して混同しなかった。

それは、父にとって、
妻と娘の境界線は、きっちりと引かれていたのでしょう。


けれど兄の立場から、
記憶の退行で、18歳までの記憶しかもっていない櫂に、

あんなに幼かった妹が、

今の瞬間、大人になった女性だから、
何かの拍子に、母親と混同シテしまったのだろう…


それが容易に理解できるから、
妹さんも敢えて否定しなかったんだよね~

おっしゃる通り
なんとも切ない場面だわ~~



ところでホーリーミックスって
もう買えないのかしらん??

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プロフィール

ノパール

Author:ノパール
パトロン付きの毎日を満喫している自由人でございます。これ、きちんと訳しますと、勝手気ままに生きている専業主婦でございます。
年齢言いたがらない?これってかなり年だと思われます。でも心はいつでも年齢5チャイ!おいっ!

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